ライアンエアー(Ryanair)搭乗の流れと気をつけるべきポイントを完全攻略
ライアンエアー(Ryanair)といえば、ヨーロッパを代表する超・格安航空会社。
ヨーロッパ各地を破格の値段で飛行できるライアンエアーですが、安さの一方で、事前に知っておかないと追加料金がかかる独自のシステムがあるのも事実。
この記事では、ライアンエアーに乗る前に知っておくべき空港での手続きの流れや、おさえておきたいポイントを①チケット購入、②空港到着後、③搭乗の3つのフェーズに分けて紹介します。
この記事を読んでほしいのはこんな人
- ライアンエアーで格安ヨーロッパ旅行をしたい人
- ライアンエアーを初めて利用する人
◆ライアンエアー公式サイト(英語)はこちら:Official Ryanair Website
ライアンエアーで搭乗券を購入するときの注意点
ライアンエアーでは、荷物の数や座席指定によってチケットの料金が異なるのに加え、フライト当日までに自分で済ませなければならないオンラインチェックインの手続きがあります。
ここでは、ライアンエアーの4つのチケット料金と事前手続きについて解説します。
ライアンエアーのチケットの種類
ライアンエアーのチケットは、大きく分けて4種類あり、荷物の数や座席指定などによって料金が異なります。
Value(最安) | Regular(おすすめ) | Plus | Flexi Plus |
---|---|---|---|
・小さな手荷物(40 × 20 × 25cm)× 1 | ・小さな手荷物(40 × 20 × 25cm)× 1 ・大きな手荷物(10kgまで)× 1 ・優先搭乗(Priority) ・座席指定 | ・小さな手荷物(40 × 20 × 25cm)× 1 ・預荷物(20kgまで)× 1 ・座席指定 ・空港カウンターでの無料チェックイン | ・小さな手荷物(40 × 20 × 25cm)× 1 ・大きな手荷物(10kgまで)× 1 ・優先搭乗(Priority) ・座席指定 ・空港カウンターでの無料チェックイン ・保安検査ファストパス ・フライト変更手数料無料 |
1番安いのは、「Value」チケット。
座席の下に入る大きさの手荷物1つのみしか持ち込めませんが、50ユーロ前後で国際線に乗れます。
筆者のおすすめは、Valueチケットの値段に25ユーロ前後プラスするだけの「Regular」チケット。
小さな手荷物に加え、機内頭上のキャビネットに入る大きさの手荷物を持ち込めるため、旅行先でお土産をたくさん買いたいという方や、1、2週間程度の少し長い旅行を楽しみたいという方におすすめです。
旅行先でお酒などの機内持ち込み不可のものを買いたいという方は、「Plus」チケットを購入し、預荷物に入れましょう。
フライト当日にチェックインカウンターで預荷物を追加することもできますが、事前に指定しておいた方が安くなります。
ちなみに、10kgまでの大きな手荷物がある場合についてくる「優先搭乗(Priority)」は、出発ゲートで並ぶ場所が通常と異なります。
(画像:Kiwi.comより)
出発ゲートにはこのようなボードが立てられており、「Priority」と「Non Priority」で2列に分かれていますので、並ぶ列を間違えないようにご注意ください。
ライアンエアーのチケットは、公式ウェブサイトまたはアプリから購入できます。
ライアンエアー以外の航空会社の料金もチェックできる「Skyscanner」という比較サイトも便利です。
事前オンラインチェックインと搭乗券の印刷
ライアンエアーを利用するにあたって絶対に忘れてはならないのが、搭乗前の事前オンラインチェックインと搭乗券の印刷。
事前オンラインチェックインは、座席指定をしていない場合は出発の48時間前から、有料の座席指定をしている場合は出発の60日前からライアンエアーのアプリまたはウェブサイト上で行うことができます。
また、オンラインチェックイン後に搭乗券を印刷することも忘れてはいけません。
ライアンエアーのアプリまたはウェブサイト上から搭乗券のPDFをダウンロードし、搭乗までに印刷しておきましょう。
ちなみに、非シェンゲン圏(イギリス、アイルランドなど)とシェンゲン圏(主にEU圏)をまたぐフライトの場合、搭乗券の代わりにビザチェック用のチケットをチェックインカウンターに持参するよう指示されます。
その場合も同様に、ビザチェック用のチケットを印刷し、チェックインカウンターでパスポートと一緒に提示しましょう。
事前オンラインチェックインを忘れると、55ユーロ(またはポンド)、搭乗券の印刷を忘れると、20ユーロ(またはポンド)の手数料が取られてしまうこともあるので、ご注意ください。
筆者の経験では、シェンゲン地域同士のフライトは、アプリ上の搭乗券しかチェックされず、搭乗券を印刷しなくても大丈夫でした。ただ、空港内の電波が悪すぎて搭乗券を表示できないこともあるので、念のため印刷しておいたほうが安心です。(ライアンエアーのポリシーは謎)
空港に到着したらやるべきこと
ライアンエアーのフライトでは、搭乗者の国籍やフライト先によって必要な手続きが異なります。
ここでは、日本国籍者を含む非EU圏のパスポートを所持する方向けに、フライト当日の空港での手続きの流れを解説します。
チェックインカウンターでのビザチェック
まず、非EU国籍(日本国籍など)の人が非シェンゲン圏とシェンゲン圏をまたぐフライト、または非シェンゲン圏同士のフライトを利用する場合、ライアンエアーのチェックインカウンターでビザチェックを行う必要があります。
フライトの種類 | ビザチェックが必要かどうか |
---|---|
非シェンゲン圏から非シェンゲン圏へのフライト (例:イギリス→アイルランド) | 必要 |
非シェンゲン圏からシェンゲン圏へのフライト (例:イギリス→イタリア) | 必要 |
シェンゲン圏から非シェンゲン圏へのフライト (例:イタリア→イギリス) | 必要 |
シェンゲン圏からシェンゲン圏へのフライト (例:スペイン→イタリア) | 不要 |
*シェンゲン協定加盟国:オーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、クロアチア、スウェーデン、スイス
なんだかややこしいですが、まとめると、出発地または目的地が非シェンゲン協定加盟国である場合は、ビザチェックが必要です。
ビザチェックの流れは超簡単な3ステップ。
- ライアンエアーのチェックインカウンターに並ぶ
- カウンターでパスポートとビザチェック用のチケットを見せる
- 搭乗券をもらう
これだけです。
これに加えて、預け荷物がある場合は、ビザチェックと同じタイミングでチェックインカウンターに預けましょう。
ビザチェック自体は簡単な手続きで終わるので、そこまで時間はかかりません。
しかし、ヨーロッパの空港はなんてったって人手不足なので、チェックインカウンターに行列ができていることもしばしば。
時間に余裕を持って空港に到着するようにしましょう。
保安検査場で持ち込み荷物の検査
ビザチェックが終わったら、保安検査を済ませましょう。
海外の保安検査の基本的な流れは、日本の空港と同じです。
しかし、ライアンエアーなどの格安航空が発着する空港は、比較的小規模であることが多く、保安検査だけで1時間以上かかることもしばしば。
時間に余裕をもって到着することはもちろんですが、8〜15ユーロほどで購入できるファストパスの利用もおすすめです。
また、保安検査の前に以下のことを準備しておくと、検査を最速でクリアすることができます。
- 機内持ち込み不可のものは手荷物に入れない
- 液体を持ち込む際は100ml以下のものを規定のビニール袋に入れる
- 検査時に取り出しやすいように電子機器はまとめてポーチなどに入れる
- 検査時はベルトを外して上着を脱ぐ
ライアンエアーのフライトで注意したいのが、保安検査は必ずビザチェックの後に通るということ!!
非EU国籍者の場合、ビザチェックを先に済ませないと搭乗券がもらえないので、保安検査を通過しても搭乗できません。(シェンゲン地域同士のフライトの場合は、ビザチェック不要)
実際に、出発ゲートに着いてからビザチェックをしていないことが発覚し、最初からビザチェックと保安検査の行列に並び直すハメになっている人をちらほら見かけました。
預け荷物がない場合はとくに忘れてしまいがち、そして搭乗券がなくてもなぜか保安検査には入れてしまうので、空港に着いたらまずはビザチェックを済ませるようにしましょう。
ライアンエアー搭乗の流れと注意点
ライアンエアーでは、手荷物の数によって出発ゲートでの案内が異なります。
ここでは、フライト当日の出発ゲートに到着してから搭乗までの流れや、搭乗後の機内で注意すべきことについて紹介します。
ライアンエアーの出発ゲートを確認
ライアンエアーをはじめとする格安航空の出発ゲートは、空港のなかでもかなり端っこにあることが多いです。
そのため、まず出発ゲートを見つけるまでに一苦労。
ライアンエアーでは通常、出発の1〜2時間前までに出発ゲートの番号が発表されます。
フライトに乗り遅れないためにも、出発ゲートの番号が発表されたら、ゲートの場所を1度確認しておくとよいでしょう。
出発時刻の30分前ごろには搭乗の案内が始まるので、それまでには、必ず出発ゲートに並ぶようにしましょう。
ちなみに、ライアンエアーの出発ゲートでは、「Priority」と「Non Priority」で並ぶ列が2つに分かれています。
(画像:Kiwi.comより)
Priority / Non Priorityは、チケットの種類によって決まりますが、キャビンに収納する10kgの手荷物がある場合は「Priority」、そうでない場合は「Non Priority」の列に並ぶと覚えておきましょう。
屋外の飛行機まで自力で歩いて搭乗
出発ゲートでパスポートと搭乗券のチェックが終わると、機内に搭乗するよう案内されます。
ライアンエアーは格安航空なので、多くの場合、外に停まっている飛行機まで自分で歩いて搭乗します。
雨が降っても、風が吹いていても関係ありません。
しかも、かなり並ぶので、真冬の搭乗は寒空の下ひたすら待つというなかなかの苦行。
ライアンエアーの安さを保つには、私たちの我慢が欠かせないのです…。
ライアンエアーの機内はとにかくせまい
ライアンエアーの機内は、座席も通路もかなりせまい。
その割に、いつも満席に近い状態なので、かなり窮屈です。
身長160cmの日本人女性のサイズ感でちょうどいいくらいの座席の広さなので、身長の高い方やがっちりとした体型の方は、かなりツラそうでした。
スペースにゆとりのある1番前の座席に当たったらラッキーです。
また、キャビンに入れる大きな手荷物がある場合は、早急に空いているキャビンにぶち込みましょう。
夏休みやクリスマスなどのホリデーシーズンは、荷物を入れるスペースの争奪戦が勃発します。
過度なサービスには期待しない
ライアンエアーは格安航空のため、豪華な機内食や快適さを期待してはなりません。
機内食は、有料でサンドイッチなどの軽食のほか、ポテトチップスやチョコレートバーなどのスナックがありますが、かなり簡素です。
飲み物も有料ですが、ビール、プロセッコ、アペロール・スプリッツなど、意外にもアルコールの種類が充実しています。(ソフトドリンクはほぼ炭酸飲料しかありませんでした)
ライアンエアーのフライトは1〜2.5時間程度の短い時間しか乗らないので、機内で食事をとらなくても耐えられますが、興味のある方は試してみるのもいいかもしれません。
◆参照:Ryanair Gateway Cafe Summer 2023
また、ライアンエアーのフライトは、前のフライトが終わってすぐの飛行機を使用するので、機内の掃除は行き届いていないことのほうが多いです。
ゴミや食べカスが落ちていることもありますが、そっと目を背け、安く旅行できるという恩恵をしみじみと感じましょう。
ライアンエアーで格安ヨーロッパ旅行を楽しもう
ライアンエアーは、ヨーロッパを格安で旅行したいという方にとっては欠かせない超・格安航空。
以下はライアンエアーのフライトを利用するにあたっての注意点まとめです。
事前準備(〜フライト当日) | 空港到着時(〜出発時刻の2時間前) | 搭乗時(〜出発時刻の30分前) |
---|---|---|
・自分の目的に合ったチケットを購入する ・事前オンラインチェックインを済ませる ・搭乗券を印刷する | ・チェックインカウンターでビザチェックを済ませる(非シェンゲン圏を含むフライトの場合のみ) ・荷物を預ける(預荷物がある場合のみ) ・保安検査場で検査を済ませる | ・出発ゲートを確認する ・PriorityまたはNon Priorityの列に並ぶ ・チケットとパスポートを見せ、自力で飛行機まで歩き搭乗する |
とくに日本国籍者の場合、非シェンゲン協定加盟国を含むフライトを利用するにはビザチェックが必ず必要になるというのが最重要ポイント。
ライアンエアーの格安料金の裏には、事前オンラインチェックインを済ませなければならなかったり、窮屈な機内で耐え忍ばなくてはならなかったりという面もありますが、ライアンエアーを上手に利用して、お得にヨーロッパ旅行を楽しみましょう!